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02/12/2025

定年後の雇用契約

Fariz Armesta | Lain-lain

定年後の雇用契約

通常、会社で定められた定年年齢に達した従業員は、定年到達を理由として雇用契約が終了します。しかしながら、会社の状況によっては、退職した従業員の経験や知識を引き続き活かす必要がある場合があります。たとえば、社内の人材育成や知識継承が十分に行われていない場合、または重要な取引先や顧客からの信頼が厚い場合などです。このような場合、会社が取り得る選択肢の一つとして、「定年後再雇用」が挙げられます。

現行のインドネシア労働法では、定年到達者を再雇用する明確な法的根拠は定められていません。そのため、定年後の従業員を有期雇用契約PKWTで再雇用することは、原則として適切ではありません。なぜなら、多くの場合、再雇用後の業務内容は恒常的であり、一時的な業務ではないためです(政令2021年第35号)。したがって、「業務委託契約(Perjanjian Kerjasama)」の形式で関係を結ぶことが望ましいと考えられます。

■ 業務委託契約の特徴

業務委託契約を用いる場合、以下のような関係となります:

  1. 退職者は「コンサルタント」または「アドバイザー」として従事し、もはや会社の「従業員」ではない。
  2. コンサルタントは会社の組織図上の一員とはならず、部下への指示権や会社名義での署名権を持たない。
  3. 報酬は「給与」ではなく「報酬(honorarium)」または「業務委託料」となり、金額は双方の合意によって決定する。
  4. また、コンサルタントは「従業員」ではないため、会社はBPJS(健康保険・雇用保険)への加入、THR(宗教手当)の支給、所得税の代行納付のような従業員向け義務を負いません。

これらを会社が便宜上負担・代行するかどうかは、契約書内で明確に取り決める必要があります。

 

■ 「特別雇用契約」を用いる場合

一方で、退職者を引き続き会社の組織に属させたい場合には、「特別雇用契約(Perjanjian Kerja Khusus)」を用いる方法もあります。ただし、この契約形態については労働当局(労働局および労働省)の間でも解釈が統一されていません。

当社がこれまでに確認した範囲では、一部の担当官は「特別雇用契約」による定年後再雇用を問題視していませんが、全国的に統一された見解ではない点に注意が必要です。

これは、現行法に明確な根拠規定が存在しないためであり、企業としては慎重に対応すべき領域といえます。

 

  1. 定年後の従業員をPKWT(有期雇用契約)で再雇用することはできますか?

コンサルタントとしての立場から申し上げますと、定年退職者との雇用関係を PKWT(有期雇用契約) により締結することはお勧めいたしません。一般的に、再雇用された定年退職者が従事する業務は、一定期間で完了する一時的な業務ではなく、継続的かつ恒常的な性質を有しているためです。そのため、当該業務内容は 政令2021年第35号 に定められている有期雇用契約の要件を満たさず、適法とは言えません。

したがって、定年退職者と通常の有期雇用契約を締結することは、労働関連法令違反となるおそれがあります。以上の理由から、会社が定年退職者を引き続き活用したい場合は、コンサルタントまたはアドバイザーとしての「業務委託契約(Perjanjian Kerjasama)」、または組織内に引き続き所属させる場合の 「特別雇用契約(Perjanjian Kerja Khusus)」のいずれかの形式で契約を締結することをお勧めいたします。

  1. 再雇用後の従業員に対して、ボーナスやTHRを支払わなくても問題ありませんか?

「業務委託契約」で結ぶ場合は問題ありません。これは労働法に基づく契約ではなく、双方の合意に基づく民事契約であるためです。

契約内容において、以下のような点も自由に取り決めることができます:

  • 勤務日・勤務時間(例:週3日出社など)
  • BPJSへの加入有無
  • 年間の休暇・欠勤ルール
  • 報酬に対する税金処理(自己申告か会社代行か)

一方、「特別雇用契約」を用いる場合は、PP第35号2021年を直接参照しない旨の条項を入れることで柔軟に設定が可能です。

ご不明点や、定年後の雇用に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

PT Fuji Staff Indonesia 

総務人事相談室

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